陸王というオートバイ
Harley-Davidsonは日本でも人気が高いオートバイメーカーですが、Harley-Davidsonと日本の関係には長いヒストリーがあります。
Harley-Davidsonのオートバイが日本に輸入されるようになったのは20世紀のはじめの頃ですが、やがて日本ではオートバイを自国内でも製造できるように国をあげて取り組むようになっていきます。
自国の産業を発展させるために外国から輸入されるオートバイには高い関税がかけられるようになったので、オートバイを国外から輸入していた会社は大きなダメージを被りました。
そこでHarley-Davidsonのオートバイを当時輸入していた日本ハーレーダビッドソンモーターサイクルという会社では、Harley-Davidsonの本社と交渉して日本国内でハーレーのオートバイを生産して、日本国内で販売できるように依頼しました。
当時のアメリカ経済は世界恐慌などの影響で深刻な不況であったことなどもあり、この申し出は了承されて日本でもハーレーのオートバイが生産されることになりました。
これは正式な契約に基づくものであり、オートバイを製造するために必要なライセンスなどがハーレー側から与えられました。
ただしこの契約では日本で生産されたオートバイは輸出してはいけないという決まりも同時に定められました。
そうした紆余曲折を経てハーレーのヒストリーの中ではじめて日本製のオートバイである製品が陸王という名前をつけられて国内限定で販売されました。